SYD活動

理事長随想

さらなる飛躍のために

修養団理事長 御手洗 康

 昨年は、ようやくコロナも収束に向かい元の日常の生活が戻ってきましたが、今年は、正月早々に能登半島地震が起きました。多くの方が亡くなられ、被災地では今も厳しい避難生活が続いておりますが、一刻も早い復旧・復興と、被災地の皆さんに少しでも明るい笑顔が戻ってくることを願っております。

 この3年間、修養団の活動もコロナにより大きな影響を受けてきましたが、昨年度は、修養団の講習・講演活動、青少年活動、国際交流活動など計画された事業をしっかりと実施することができました。私も昨夏は、福島県のばんだいふれあいぴあを会場におこなわれた「桧原(ひばら)湖畔子ども自然体験キャンプ」に行き、久しぶりに子どもたちと一緒にキャンプファイヤーに参加しました。

 コロナ禍で対面の事業がおこなえず、新たに企画したオンラインでのセミナーや講演活動も定着し、参加者の輪を広げ、気軽に参加できる新しい活動スタイルになっています。各クラブ・連合会でも、コロナ禍でいろいろと工夫されながら活動を継続され、ご苦労も多かったことと存じます。この間の運動の基本方針を振り返ってみますと、令和3年度が「共に知恵と工夫を出し合って」、令和4年度が「見直し、やり直し」、そして令和5年度が「積極・前向きに進めよう」となっています。新型コロナの流行の中で、全力で活動を継続していこうという思いが込められています。

 令和6年度の修養団運動の基本方針は「創立120周年を見据えさらなる飛躍のために進めよう“幸せの種まき運動”」と定めました。
修養団創立者の蓮沼門三初代主幹は「念々相続・刻々精進」という言葉を大切にしており、「念々相続、とは念をかさねて、思いつづけ、祈りつづけることであり、刻々精進というのは、一瞬一瞬、瞬間瞬間に全力をうちこんで、真剣な努力をつづけることです。そして、中今(なかいま)という現在に、全身全霊、全力を打ち込むあり方を『現状充実』という」と言っておられます。

 修養団は人格の向上を図り、すべての人と親しみ、誰一人争うことが無く、すべての人が助け合い、働き合う、明るい社会の実現のために、「愛と汗」の精神を掲げて運動を進めてきました。

 2年後の2月11日に創立から120年を迎えますが、今、時代の変化と世代交代という大きな課題に直面しています。修養団運動を次の時代につないでいくために、時代に対応した事業の充実と次世代の運動の担い手の育成が大きな課題となっています。

 コロナの流行前に定めた令和2年度の運動の基本方針は「事業の充実・参加者拡大を図り、みんなでまこう!『ふれあいの種、思いやりの種、よろこびの種』」です。今、この課題を改めて受け止め、門三先生の『現状充実』の言葉を心に刻んで、さらなる飛躍のために、未来に向かって“幸せの種”をまいていきましょう。

令和6年4月