SYD活動

理事長随想

見直し、やり直し、立て直し

修養団理事長 御手洗 康

 新型コロナウイルスの世界的な流行は2年以上にもなり、未だ収束の気配が見えません。感染の拡大によって十分な治療が受けられない人や死者も増え続け、経済活動の停滞により失業や収入減で困窮する人も増えていますが、保健医療に携わる皆さんには、長期にわたる緊張の中で献身的に働いておられることに心から感謝申し上げるほかありません。

 感染拡大の中でいろいろな意見がありましたが、1年遅れて昨年開催された東京オリンピック・パラリンピック大会と引き続き2月に北京で開催された冬季大会では、先の見通せない厳しい状況の中でたゆみない努力を続け、技術を磨いてきたアスリートの皆さんが素晴らしい競技を繰り広げ、世界中の人々に感動と喜びを与えてくれました。とりわけ障害を乗り越えて、様々な種目のパラスポーツ競技に挑むアスリートの姿に勇気を与えられた人も多いと思います。

 長引くコロナ禍の中で、在宅勤務やリモート会議も広がり、働き方にも変化が起きています。外出や旅行が制限され人とのつながりが薄れる中で、スマートフォンやSNSなどを利用して離れて暮らす家族や友人とコミュニケーションをとったり、テイクアウトや通信販売を利用する人が増えるなど日常の生活にも変化が生じています。近くの公園では親子連れで遊ぶ姿をそれまでよりも多く見かけるようになりました。

 また、感染力の強いオミクロン株の流行で、保育園の休園や学校の休校などが増え、保護者の仕事や社会活動にも大きな影響が出ています。学校では、オンライン授業など新しい教育への取り組みも進められましたが、授業をはじめ校外活動や部活動、給食や休み時間の過ごし方まで活動が制限されています。それでも子どもたちは楽しそうに学校に行き、友達と遊んでいますが、長期間にわたる教育活動の制限が今後の子どもたちの成長にどのような影響を及ぼすのか心配です。

 修養団の活動も引き続き影響を受けています。「みがく講習会」や企業等の研修事業は規模や期間を縮小しながら感染対策をとって実施し、宿泊を伴う青少年活動はほとんど中止しました。オンラインを活用した「青年ボランティアゼミナール」や「〝愛と汗〟幸せの種まき講演会」の実施、チャリティー活動など知恵と工夫を出し合って活動を行っていますが、みんなで一緒に体を動かし、ふれあい、協力して活動することはなかなかできません。

 今年は、修養団創立者の蓮沼門三初代主幹の生誕140周年です。コロナの感染状況は予断を許しませんが、今年こそは人と人とのふれあいを取り戻し、クラブ・連合会の皆さんと一緒に「無貧、無病、無争」の三無の楽園の理想を目指して活動ができることを願っています。本年度の運動の基本方針は、『「事業の充実、組織の拡充」見直し、やり直し〝みんなでまこう!幸せの種〟』です。この2年間で停滞した事業や組織活動を見直し、新しい視点や内容を取り入れてやり直し、アフターコロナに向けて組織と活動を立て直して、一粒でも多くの《幸せの種》をまいていきましょう。

令和4年4月